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インターネット殺人事件
「最近読んだ本の ISBN 末尾が、奇しくも 1 共通。何かの兆しでしょうか。」
【 amazon 絵 24時間 】「一部伝奇病患者の間で話題騒然のミャンマー柳生本。
小説ではなく、ミャンマーの軍情報部を柳生一族に喩えた旅行記です。
その存在はかなり早い時期にメールで教えていただいて認識していましたが、
そんな美味しい話がおいそれと転がってくるわけがないと考え、
Amazon で予約したりはしませんでした。
そんなわけで、書店で出会ってパラパラと立ち読みしたわけですが。」
で、唐突だが、いちばん近いのが「柳生一族」じゃないかと思った。
(P20 序章 ミャンマーは江戸時代)
その中にあって、軍情報部とは、徳川幕府であるならさしずめ目付であろう。
(中略)
この役目をいちばん忠実に果たしたのが、まだ戦国の荒々しい空気が残っていた江戸初期に活躍した柳生一族だと私は考えることにした。 目付の頭「大目付」(当時は「惣目付」)である柳生宗矩以下、柳生一族は徳川幕府安定のために活躍した。
公式な活動だけではない。柳生には「裏柳生」もいた。 柳生十兵衛三厳、その弟である柳生列堂(義仙)は、隠密を使い、かなり悪どい方法で、 幕府に敵対する大名やときには天皇家までも弾圧した。 少なくとも、小池一夫の『子連れ狼』、隆慶一郎や荒山徹などの小説ではそういうことになっている。(P22 序章 ミャンマーは江戸時代)
「ここまで読んで本を閉じ、小脇に抱えてレジに行きました。
この人は分かってる人だ、つかう人だ、
「少なくとも〜ではそういうことになっている」の〜が完全に違えええよ、と思いながら。
それもその筈、プロフィールを見たら早稲田大学探検部 OB にして船戸与一の後輩、アマゾンに幻獣ムベンベを探しに行くような兵(つわもの)ではないですか。
野にはさても化物が多い。」
「で、唐突だが、この本はミャンマー風俗のヤギュイズム・レポートであると同時に船戸与一たん萌え萌え日記だと思った。
横暴だの、フセイン大統領似だの、一切取材メモを取らないだの、散々なことを書かれている船戸先生ですが、
そういった前振りが、後半で小説のストーリーを発想するシーンに結びついて見事な効果を出しています。」
「小説の題名を思いついた」という。
「どういうのですか?」
「カハーニーシルベナークだ」船戸さんは得意気に言ったが、私は眉をひそめた。
『アンナ・カレーニナ』とか『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』みたいな東欧系のタイトルは船戸さんには珍しい。というか、ミャンマーに全然合っていない。
そう言うと、「バカ!」と叱られた。「『河畔に標なく』だよ」
あ、日本語だったのか。耳で聞いてもさっぱりわからなかった。
もっとも、船戸さんは上機嫌のままだ。
「船が浅瀬に乗り上げたことがあったろ? あのとき閃いたんだ。もうこれで小説は書けたも同然だな」
「え、タイトルだけで万事オーケーなんですか?」
「そうだよ。あとはこの題名に沿うように書きゃいいだけなんだから」
どういうことなのかさっぱりわからないが、本人が納得してるんだからいいのだろう。(P198 第四章 柳生十兵衛敗れたり!)
「何と言うか、小説に出てくる文豪を地で行っています。船戸与一ファンは一撃だなと思いました。」
【 amazon 絵 24時間 】「それ以外にも魅惑の話題がたくさん。」
「この手の異文化コミュニケーションの面白さでは、つい最近もこんなエントリがありました。(あまり関係ないけどいい Blog なので紹介してみます)」
■タイ・タクシン首相は、昨夜の緊急テレビ演説において退陣を表明。 長期間にわたる政局混乱の責任を取り、首相指名選挙には出馬しない意向を明らかにした。 たとえば、野党側が現政権の退陣を要求して解散総選挙を迎えるというシナリオは理解できるが、野党が選挙をボイコットして民衆が座り込みを続けるなんて、何をどうしたら事態が収束するのかさっぱり分からん! フィリピンにしてもそうだけど、この程度の民主主義だったらイスラム教か共産主義のほうが社会システムとしてはベターじゃないかという気さえする。 世界中にはびこる民主主義幻想、マジでそろそろやばいんじゃねぇの?
「「この程度の民主主義」という表現にジャンプ的序盤ライバルを連想して笑ってしまったわけですが (「タイの民主主義など我々の中では若僧、このインドネシアの民主主義力はタイの 10 倍」)、 こういう話が好きな人には本当におすすめ。」
「本当はもっといろいろ話しましたが、きりがないのでこのくらいで。」
「これだけ並べれば何を考えているか想像がつくと思いますが、 Riya を使って荒木飛呂彦絵の顔画像が自動認識されないか試してみました。」
「残念です。これが OK なら『キャプテン翼』で試そうと思っていたのに。
『機械に翼君と岬君と三杉君と井沢君と松山君の見分けがつくか』という大変玄妙な研究テーマが夢と消えてしまいました。
その他 Riya を使ってみた感想など。」
「なぜこのサイトが戦国無双や戦国 BASARA といった作品に反応が鈍いかというと、
あの手の『英傑が紙のような兵士どもをバタバタ蹴散らす』ゲームから得られる快楽が何となく脆弱だと思うからです。
無双系のゲームをプレイすると、プレイヤーは大した努力もなしに万夫不当の力を得られます。
この「大した努力もなしに」という部分が引っかかる。
そこから得られる全能感が魅力的であることは否定しませんが、
お手軽に得られる強さに何の価値があるのか。」
「ゲームによって得られる優越感が本来無根拠なものだということは承知しています。
が、練習や対戦によって積み上げたスキルがなければ、
それは本当に何の意味もない、たかだか数千円で買える優越感になっちゃうのではないかという不安があるわけです。
そんなに全能感が欲しいならシムアースやればいいじゃないですか。
地球の海いっぱいにクラゲを繁殖させてから氷河期起こして数十億のクラゲがバタバタ死ぬのをカップラーメン食いながら眺めてりゃいいじゃないですか。」
「という話を友人にしたら『シムアースの生物どもは環境的に追い込まれないと進化しないふざけた奴らだ』という話が始まって、 そっちが面白くて無双ゲームのことは忘れた。」
「そんな風に考えていた時期が俺にもありました。 更新頻度や移転時期との整合性は一切検証してません。」
「覆面作家的な有名人が自分の知人ではないかという妄想を何と呼ぶのか寡聞にして知りませんが、 たぶん北村薫に対して同様の期待を抱いていた人も少なからずいるはずで、 してみると当時の日本各地の図書館では、無数の北村薫が物憂げな視線で本を探していたはずなのです。」
「話が進まない回でした。しかし最近思うのです。
『シグルイ』が真に恐ろしいのはこのように話が進まない回なのではないかと。
なぜかというと、話が進まない回というのは山口先生が南條範夫先生の呪縛から逃れ、
その創作性を高度に発揮することが多いからです。」
「今回にしてもそうです。今や『シグルイ』はものすごい勢いで過去の捏造を始めました。 原作に一行たりとも書かれていない源之助 meets 虎眼先生。 ここで見るべきポイントは五点。」
「ここから先の展開は容易に導き出されるでしょう。 いかに虎眼先生が素晴らしい剣客であったか、 そして残された弟子たちがいかに復讐を誓っているか。 『悪童』はいわばストーリーに溜めを作る左手の存在であります。 そこから放たれる一閃を我々は知っている。虎が。虎が。」
「そして何より恐るべき点は、これまたものすごい勢いで虎眼先生が美化されはじめたことであります。
あの笑顔を見た瞬間に脳裏をよぎった言葉は「いい虎眼先生は死んだ虎眼先生だけ…!」。
考えてみれば、死して思い出となった虎眼先生はそれ以上死なないのです。
これは相当恐ろしいことなんじゃないでしょうか。
「死なない岩本虎眼」というのはおよそ今の自分が考えつく中で五本の指に入る最悪の相手です。
これからの『シグルイ』はこの戦慄すべき巨人の影に抱かれながら進んでゆくのです。
岩本虎眼、未だ死なず。虎が。虎が。」
「そう思うと、今となっては不自然に感じられるほどの第一話が、また新たな様相を呈してきます。 第一巻で描かれた一話は過去の因縁が見えない者たちの視点、いわば現実ビューなのです。 これが一巡して再度一話に辿り着いた暁には凄いことになりますよ。 ビューモードが死狂いモードに切り替わり、虎眼流七英霊(*1)が渦となって藤木源之助を取り巻きます。 まさに虎眼流タワー VS 完成版・無明逆流れ。」
【 amazon 絵 24時間 】
テムズ無双とうたわれた超人の顔面は 机の上で空しく月を睨んでいた「ファック文芸部の更新には「はてダラ」こと HatenaDiaryWriter を便利に使わせていただいていますが、 このツールのソース管理方法が面白い。 普通あるようなスクリプトダウンロードのリンクはなく、 代わりに Perl スクリプトのソースが貼り付けてあるだけ。 ユーザーはこれを自分で hw.pl に保存して使うわけです。」
「はてダラがこうしたソース管理をしている経緯は知りませんが、 これが進化すれば、ソースコードが Wiki 上にしかないという尖った形態になるんじゃないかと思いました。これを仮に WikiWare と呼びます。(*1)」
WikiWare のメリット
WikiWare のデメリット
「今のところそれほど便利には感じられませんが、これを徹底的に進めると「Wiki 的に更新できる SourceForge」に行き着くんじゃないかと思いました。 もともとソースコードを管理するシステムに機能を追加すれば、バックアップやスケールの話は解決できるし、 第三者が簡単に壊せる問題はユーザー認証なり commit の制約なり(*2)で回避できそう。」
「最近ファック文芸部やら Wiki やらで更新箇所が分散しているので、
はてな RSS にインターネット殺人事件というカテゴリを作りました。
?R インターネット殺人事件の RSS で全更新が取れます。
ついでにこの RSS 群をまとめた OPML ファイルを int.opmlとして公開。」
「文科系女子に関する話は特に興味がないので割愛します。面白かったのは以下の部分。」
エビちゃんくらいの女だったら、なにも100%の力を出さずとも
世の男性を誑かす(他に良い表現が思いつかなかった orz ごめんなさい)くらい朝飯前なわけで。
というか、男性の目では80%も100%も区別がつかないでしょう。
そこを敢えて常時フルパワーで戦ってるのは、同性に「まいった!」を言わせるため。
男は騙せても女の目は誤魔化せないからね。
「まぁいいか」なんて手を抜いた日にゃあ、「ツメが甘い!」と厳しく突っこまれます。
だから彼女たちは、違いの分からない女とはツルまない。
「もっと綺麗な女と戦って、もっともっと綺麗になりてぇ!」
ゆえに、「大好きな自分=誰よりも綺麗な自分」という図式なんじゃないかしらん。
「寡聞にして生きて動いているエビちゃんさんを見たことがないのですが、 『もっと強い奴らと戦いたい』というモチベーションは明らかにサイヤ人ですよね。 ここで語られている人物像をまとめるとこんな感じ。」
「これらの特徴を最大限に兼ね備えたサイヤ人というと、これはもうベジータしかいません。
つまりタイトルの『エビはベジータ』です。
このアナロジーを更に余計な方向で発展させると エビ = ベジータ = ツンデレという方程式が成り立ち、
つまりエビちゃん = ツンデレという結論に至るわけです。
重ねて言いますが生きて動いているエビちゃんさんを見たことはありません。」
「で、ここからは無関係な話。
『エビはベジータ』というタイトルは余りにも酷く、自分で考えておいてトルコ系の一行詩かよと思いました。
しかしそれを言い始めるなら、もともと“エビちゃん”という呼び名自体が相当酷いのであり、
そんな一般名詞をグローバルな名前空間に置くなよという感じですが(*1)、
前述のエビちゃん / 文科系女子云々の文脈で「エビ」という単語がかなりの概念崩壊を始めていて、
いち概念崩壊ファンとしては欣快の至りです。
先のサイトからもう一箇所引用します。」
勝手にエビの気持ちを想像して書いたけど、ひょっとして勘違い平行棒?
全然違ってたらごめんよエビちゃん(´・ω・`)
エビかわいいよエビヽ(;^ω^)ノ
「ここだけ抜き出すと物凄い電波文に見えます。日本一エビのことを考えてる人みたいです。 でも、無脊椎動物の気持ちなんて理解できる筈がないですよね。」
「ついでに書いておくと、いまファック文芸部用に『城』の勝手ノベライズをやっていて、
そのために『城』を何度も読み返しています。
こんなに真剣にイカのことを考えたのは初めてです。
結果、見事に「イカ」という単語が概念崩壊を起こしました。」
「要するに、水棲動物が立て続けに概念崩壊を起こすというプチ奇蹟がいままさに自分の周りで進行中なのです。 これはきっと何かが起きる前触れに違いなく、 してみると明日あたりには「カニ」や「サケ」という単語が壊れ始めないとも限らないのです。」
「そんな感じで、今日も力の限り意味のない日記が書けて関係者一同大変満足しております。 ご清聴ありがとうございました。」
「この表紙絵に大きな感銘を受けたので、この絵のどこが凄いのかを自分なりに解説してみます。
『よつばと!』の表紙絵の並外れた描き込みについては、 id:zozo_mix さんが 4 巻の時点で指摘しています。」
『よつばと!』の世界はそんな「合体」と「変身」の連続で、だからこのマンガを読むとアタシは「今日は、おとといと昨日の続きで、明日は今日の続き」という当たり前のことが、嬉しくなる。 実際に『よつばと!』では、小道具へのコダワリが、並はずれてスゴイ。 このマンガでは描かれている道具の一つ一つに、ぜんぶ意味が詰まっていて、 アタシたち読者はなに気ないモノの数々から、作中キャラクターの生活を垣間見ることができる。
「全てのアイテムに意味を持たせるというのは、絵と物語の合成芸術である漫画の特性を充分に生かした手法です。
静物画でも同じように画題に意味を持たせる手法があるそうですが(*1)、
物語を持たない一枚絵ではアイテムに意味を与えることは難しい(*2)。
その点を乗り越えて、一つの作品の中で“意味付け”と“表現”を同時にやったところが『よつばと!』 4 巻表紙の凄さではないかと思います。」
「さて、それを受けて 5 巻の表紙を見てみると、こちらでは 4 巻のようなアイテムの洪水は影を潜め、比較的シンプルな夏の風景が描かれています。 しかしこのシンプルさこそが『よつばと!』表紙絵の凄さを浮き彫りにしています。 その凄さとは、『一枚の絵の中に技術と物語と思想が全て込められている』という点なのです。 この絵に描かれている要素を挙げてみます。」
「最初に目を引くのはよつばとその影です。この逆光の処理がとても綺麗。 絵については全くの素人ですが、それでもこの逆光は滅多に見られない上手さだと感じました。 主役を敢えて逆光の中に立たせて画面中央に置くことで、 手前の車内の暗さとドアの向こう側の明るさを対比させる。 結果、こちら側と向こう側の差が強く印象に残ります。 これがこの絵の『技術』。」
「更に、この絵は単独で完結した一篇の『物語』を含んでいます。
浮き輪、真上からの光、茂った植物。ここから舞台は夏の昼であることが読み取れます。
町並みの穏やかさ、電車で来ていること、泳ぐ場所が近くにあることなどから、駅のある場所はおそらく田舎なのでしょう。
そして、先に電車を降りて車内に向かって笑いかけているよつば。
おそらくは先を急ぎたくて仕方なく、電車の到着と同時に駅へ飛び出したのでしょう。
待っている人物はおそらくとーちゃん。交わしている言葉まで想像できます。」
「そして、その『物語』から想像できるのが、絵の“こちら側”にいる観察者の心情です。 少し暗い電車の中から見る夏の日の光。“向こう側”にいる少女。 よつばと過ごす夏の一瞬が、観察者にとってどれだけ美しく貴重であるか。 『幸せな日常が最高の財産である』。これがこの絵の『思想』です。」
「これだけの情報が、たかだか 107KB の一枚絵の中に表現されているのは凄いことです。 これは『よつばと!』の特性を出し切った、とんでもなく濃い絵なのです。 この絵にタイトルをつけるとしたら、まさに『よつばと!』以外は考えられないでしょう。」
「表紙絵でこれと同種の興奮を味わったのは『ジョジョの奇妙な冒険』 46 巻と、 最近では『シグルイ』 3 巻くらいですかね。(*3)」
【 amazon 絵 24時間 】
【 amazon 絵 24時間 】「この 2 枚の技術・物語・思想については説明しませんが、このレベルの絵は名画と呼んでも差し支えないと思います。(そう呼ばれると嫌がる漫画家もいそうですけど)」
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