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インターネット殺人事件

日記

2006-04

2006-04-07

◆「レクイエムだ…、あれが Web2.0 のレクイエム」

  • 愛・蔵太の気ままな日記 - Web 2.0なんてせいぜい「新しい広告媒体」と「その代理店」を作るだけのシステム
    • そう言われると Web2.0 の凄さを語りたくなるのが人情というものですが、正攻法でやるのはイッツノットマイビジネスなのでネタでやります。
      • 「君は二言目には Web2.0 Web2.0 というが、そんなものはどこにも存在しない!」
        • 「オレが… Web2.0 だ」
          • 後の id:naoya である。
            • 知らないけど。今の日本でもっとも Web2.0 なのは誰なんでしょうか。
    • 誰も Web2.0 の本質を知らないという意味では、Web2.0 はズンドコベロンチョだとも言えます。
      • 投げっぱなし・ザ・ワールドが更に凶悪化したものがズンドコベロンチョメソッド。
        • 「おまえ Web2.0 かあ!」
          • 「違います、本当に違いますって…」
            • 「やっぱ Web2.0 だ!」
              • 「ええー、そ、そうかなあ」
        • 「なんなのよ、おまえにとって Web2.0 って!」
          • 「こうか!」
          • 「それともこうか!」
            • 「上様、お気をつけなされませ、今のちょっと Web2.0 だったようですぞ」
            • 「おおーそうか! あぶないあぶない」
        • 「おまえら Web2.0 じゃねえ!」
          • 「Web2.0 以外の何かだあ!」
            • 「でもわからねえ! おまえらが Web2.0 じゃなくて何なのか!」
              • 「来るなぁーっ!」
        • だからね、ナンセンスやブラックユーモアの鉱脈は筒井康隆とほりのぶゆきが掘り尽くしてるんですよ。
    • Web2.0 が好きかと問われると微妙に困ります。好きとか嫌いとかはいい。 Web2.0 を使うんだ。
      • 「わたしにとって Google は師であると同時に下僕」
      • 「そのような下賎の仕事は Web2.0 にやらせればよいのです」
        • 師であり下僕という立ち位置が最も似合うキャラクターを考えた結果、一匹の獣を思い出しました。ロデムです。
          • というわけで、これからは Web2.0 のことをロデムと呼びましょう。不定形だし。
            • Web2.0 たんはまだ存在しないらしいですね。
              • 当然書きません。そのような下賎の仕事は Web2.0 にやらせればよいのです。

2006-04-08

「最近読んだ本の ISBN 末尾が、奇しくも 1 共通。何かの兆しでしょうか。」

◆[読書]『ミャンマーの柳生一族』(高野秀行、集英社文庫)

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題:ミャンマーの柳生一族集英社文庫: 本
続:集英社文庫
著:高野 秀行
符:ISBN4-08-746023-1
刊:集英社
年:2006/03/17
型:(cm): 15 x 11
頁: 238p
値:¥270
文:旅行ガイドは軍情報部!? 爆笑必至の珍道中記。 先輩・船戸与一と取材旅行に出かけたミャンマー。しかし軍事政権はこの二人の行動を疑い、江戸幕府のために暗躍した柳生一族にも似た軍情報部を同行させる。これは現代の話か!?と笑い炸裂の珍道中。

「一部伝奇病患者の間で話題騒然のミャンマー柳生本。 小説ではなく、ミャンマーの軍情報部を柳生一族に喩えた旅行記です。
その存在はかなり早い時期にメールで教えていただいて認識していましたが、 そんな美味しい話がおいそれと転がってくるわけがないと考え、 Amazon で予約したりはしませんでした。
そんなわけで、書店で出会ってパラパラと立ち読みしたわけですが。」

で、唐突だが、いちばん近いのが「柳生一族」じゃないかと思った。

(P20 序章 ミャンマーは江戸時代)

その中にあって、軍情報部とは、徳川幕府であるならさしずめ目付であろう。
(中略)
この役目をいちばん忠実に果たしたのが、まだ戦国の荒々しい空気が残っていた江戸初期に活躍した柳生一族だと私は考えることにした。 目付の頭「大目付」(当時は「惣目付」)である柳生宗矩以下、柳生一族は徳川幕府安定のために活躍した。
公式な活動だけではない。柳生には「裏柳生」もいた。 柳生十兵衛三厳、その弟である柳生列堂(義仙)は、隠密を使い、かなり悪どい方法で、 幕府に敵対する大名やときには天皇家までも弾圧した。 少なくとも、小池一夫の『子連れ狼』、隆慶一郎や荒山徹などの小説ではそういうことになっている。

(P22 序章 ミャンマーは江戸時代)

「ここまで読んで本を閉じ、小脇に抱えてレジに行きました。 この人は分かってる人だ、つかう人だ、 「少なくとも〜ではそういうことになっている」の〜が完全に違えええよ、と思いながら。
それもその筈、プロフィールを見たら早稲田大学探検部 OB にして船戸与一の後輩、アマゾンに幻獣ムベンベを探しに行くような兵(つわもの)ではないですか。 野にはさても化物が多い。」

「で、唐突だが、この本はミャンマー風俗のヤギュイズム・レポートであると同時に船戸与一たん萌え萌え日記だと思った。
横暴だの、フセイン大統領似だの、一切取材メモを取らないだの、散々なことを書かれている船戸先生ですが、 そういった前振りが、後半で小説のストーリーを発想するシーンに結びついて見事な効果を出しています。」

「小説の題名を思いついた」という。
「どういうのですか?」
「カハーニーシルベナークだ」船戸さんは得意気に言ったが、私は眉をひそめた。
『アンナ・カレーニナ』とか『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』みたいな東欧系のタイトルは船戸さんには珍しい。というか、ミャンマーに全然合っていない。
そう言うと、「バカ!」と叱られた。「『河畔に標なく』だよ」
あ、日本語だったのか。耳で聞いてもさっぱりわからなかった。
もっとも、船戸さんは上機嫌のままだ。
「船が浅瀬に乗り上げたことがあったろ? あのとき閃いたんだ。もうこれで小説は書けたも同然だな」
「え、タイトルだけで万事オーケーなんですか?」
「そうだよ。あとはこの題名に沿うように書きゃいいだけなんだから」
どういうことなのかさっぱりわからないが、本人が納得してるんだからいいのだろう。

(P198 第四章 柳生十兵衛敗れたり!)

「何と言うか、小説に出てくる文豪を地で行っています。船戸与一ファンは一撃だなと思いました。」

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題:河畔に標なく: 本
著:船戸 与一
符:ISBN4-087-74804-9
刊:集英社
年:2006/03
型:(cm): 19 x 13
頁: 493p
値:¥1,340
文:密林に墜ちた200万ドル。手にするのは誰だ!? ミャンマー山岳地帯で200万ドルを載せたヘリが墜落。表沙汰にはできないこの金を巡って、後ろ暗い経歴をもった男たちが密林を彷徨う。大金を手にし野望を遂げるのは誰だ!? 迫力の冒険巨編。

「それ以外にも魅惑の話題がたくさん。」

  • ミャンマー国民は世界有数の読書家
  • ミャンマーのシャーロック・ホームズ
  • 柳生十兵衛、武田鉄矢に敗れる

「この手の異文化コミュニケーションの面白さでは、つい最近もこんなエントリがありました。(あまり関係ないけどいい Blog なので紹介してみます)」

■タイ・タクシン首相は、昨夜の緊急テレビ演説において退陣を表明。 長期間にわたる政局混乱の責任を取り、首相指名選挙には出馬しない意向を明らかにした。 たとえば、野党側が現政権の退陣を要求して解散総選挙を迎えるというシナリオは理解できるが、野党が選挙をボイコットして民衆が座り込みを続けるなんて、何をどうしたら事態が収束するのかさっぱり分からん! フィリピンにしてもそうだけど、この程度の民主主義だったらイスラム教か共産主義のほうが社会システムとしてはベターじゃないかという気さえする。 世界中にはびこる民主主義幻想、マジでそろそろやばいんじゃねぇの?

(IMITATION GOLD - 【GOLDEN BUD...vol.20】 "会津訛りのケネディ"渡部恒三、遅咲きの狂い咲き!旧竹下派の長老が若手議員を向こうにまわして「談合は駄目!」と牽制するなんて、こんなにシニカルなシーンが見れるとは思わなかったよ!)

「「この程度の民主主義」という表現にジャンプ的序盤ライバルを連想して笑ってしまったわけですが (「タイの民主主義など我々の中では若僧、このインドネシアの民主主義力はタイの 10 倍」)、 こういう話が好きな人には本当におすすめ。」

2006-04-09

◆本日のダメ会話

  • 友と語る、楽しからずや。
    • 『範馬刃牙』の 1・2 巻を眺める。
      • 「板垣はリアル系」
        • 即座にスーパー系に決まっている、という反論を受ける。いや、表現はスーパーだが物理的にできないことはしていないからリアル系では、と反論。
          • 自由の女神と郭海皇を引き合いに出される。いや、確かにそうだけど、志向としてはリアル系で、と言おうとして「何故自分が一生懸命板垣の弁護をせねばならんのか」という点に気づきテンションが下がる。話題終了。
      • ルミナの解説力が凄まじいレベルだから、板垣本人的にはノリノリで描いてるんだろうなと話す。
        • 「野球とバスケットボールが戦うなんて絶対にありえない」あたりの解説力は凄いよな、という話。
          • 「野球はバットがあるから強い」
            • 「いや、それを言ったら弾道の速さでテニス」
              • 「ゴルフ最強に決まってるじゃないか」
                • 「ゴルフ最強ってそれ月光」
                  • 「そうか! やっぱりルミナは間違ってる!」
                  • 「この世にありえないことなどありえない!」
                  • 「野球とバスケットボールは戦える!」
                  • 「その道は民明書房が十数年前に通過していた!」
    • チャンピオン RED のバックナンバーを眺めながら、本当にこの雑誌は萌えと暴力という分かりやすいエンタテインメントだよなあと話す。
      • 最近は『舞-乙HiME』や『スクライド』のいつ単行本に入るか分からない読み切りを載せていて商売が上手くなったと話す。
        • 「『舞-HiME Z(ゼータ)』」「いやそれは本当に意識してる。サンライズだし」
          • 次が『舞-HiME ZZ(ダブルゼータ)』だったら嫌だよな、という話。
            • 「『G舞-HiME』で拳で語り合う」「『∀舞-HiME』で全肯定」「そのあと登場人物が全員美形の男の子になって大きいお友達から叩かれる」「でも商業的には成功」
    • アフリカというボードゲームをやる。
      • 友人たちとの間では、誰かが「このクソゲーが!」と叫ぶボードゲームが良作であるというのが定説。
        • 今回も当然叫ぶ者が出てくる。「このクソゲーが!」
        • 「この金の亡者どもが」「そんなにお金が好きか」という罵倒も飛び交う。普段は「今は守銭奴のように金っ…!」と返すところだが、趣向を変えて「お金が嫌いな人間なんていません!」と言ってみる。『げんしけん』の大野さん面で。
      • 『アフリカ』は下家を攻撃するのが得策なのか、それとも上家なのかという話。
        • 最も確実にやるなら両方殺せばいいと思ったので「上に会うては上を殺し下に会うては下を殺す」と言ってみる。
        • 「自分以外全員死ね」「金がなければ死ねばいいのに」
    • 友人に人力検索はてな - 現在の日本で合法的に人肉を食べる方法を教えてください。を見せて意見を乞う。
      • 「『拷問としてのカニバリズム』は違法」「それは 3 秒で気づいた。拷問してる時点でアウトに決まってる」「暴行罪?」
      • 「『パンを食べればいい』でトンチを持ち込まれたのが悔しい」「いやそこは回答者を誉めるべきだ」
        • その会話の中で「あれ、キリストって人?」という点を指摘されて落鱗眼。
          • 「ええと、あれは父と子と聖霊だから、人の子でファイナルアンサー?」「神じゃないのかなあ」
            • 聖霊の位置付けが感覚的に分からない、という話をする。世界に満ちてる善なる意志みたいものじゃないか、どこぞのメガテンで悪魔になってて殺したか仲間にした覚えがあるなあ、と言う。
              • 最終的に父がゲッターエンペラー、子がゲッタードラゴン、聖霊がゲッター線でいいんじゃないかという結論になった。
                • 「キリスト教はヤバいなあ」「いや圧倒的に石川賢がヤバいだけ」
      • 暴行罪が親告罪じゃないのは危険だ、という話。
        • 「この質問自体は違法じゃないか?」「考えることだけなら違法じゃないはず」「広義に解釈すれば騒乱罪で何とかできるかも」「戦前なら治安維持法で一発だけど」
          • 法律の条文が曖昧なのは全状況対応型だから、という話。判例で具体例を積み重ねて頑張りましょうという思想。
          • 治安維持法や人権保護法案はワイルドカードだから権力者は当然欲しがるだろうなあ、という会話。
      • 法律というのは気違いを取り締まるためのものだ、と友人が言う。個人的な見解は少し異なっていて、社会を維持するためのものという認識。
        • 昔なら同性愛は違法だけど、今は合法。社会の維持という観点からは違法にした方が有利だが(非生産的なので)、人権が出てきたので、下手に取り締まるよりも好きにやらせているのではないかという話。
        • 「法律は要するに『気違いは斬り捨て御免』ルールだ」「でも具体的な気違いをひとつひとつ取り締まっていたらきりがないし」
          • 実は日本の従姉妹婚 OK の方が社会維持的にヤバいんじゃないかという話。
            • あれは天皇家維持の最終手段に違いない、と友人が言う。
              • そんなレベルで維持できるわけがない、ありえないと指摘する。その状況に入った時点でもう時間の問題だから。
                • 宇宙船の中で日本の法律に触れずに家系を残せる最少人数は(出産が 100% コントロールできるとして) 4 人。従姉妹婚を禁止したところでこの人数がせいぜい 2 倍か 3 倍に増えるだけなので、結局は時間の問題。
                  • ちなみにこの 4 人の場合の家系図はジェンガそっくりになる。
      • やはり任意提供に勝る方法はないのかなあ、というあたりで落ち着く。
        • 「それも注意してやらないと、相手が死ぬと過失致死か自殺幇助になる」「相手が死ぬ量を食べちゃったら当然アウト(自殺幇助)」
        • 「メイド喫茶ならぬ人肉喫茶があれば OK なのでは」「まあ絶対に営業許可降りないけどね」
          • そんな申請書を受け取る役人の人は大変だなあ、という話。
            • 申請書を役所に持っていくこと自体は合法か? という話。
              • 公序良俗的には明らかにダメとして、食品衛生法的にも危なそう。
              • 「それ以前に自分が役人だったら二時間説教するけど」
              • 「自分だったら説教なんてしない。一言も喋らずに通報する。だって明らかに狂人でしょ。そんなの相手にしちゃダメだよ」

「本当はもっといろいろ話しましたが、きりがないのでこのくらいで。」

2006-04-15

◆アニメ・コミックの顔画像を自動認識したい

「これだけ並べれば何を考えているか想像がつくと思いますが、 Riya を使って荒木飛呂彦絵の顔画像が自動認識されないか試してみました。」

  • 結論から言うと認識されない。
  • Riya はおそらくクライアント側のアップローダーが画像認識 -> 顔の範囲を特定してサーバにアップロードというつくりになっている。この事前検出で拾われないっぽい。
  • いくつか手動で顔範囲を指定してみてもダメ。全画像で試したわけではないけど、認識アルゴリズムが人間の顔に特化しているのかも。

「残念です。これが OK なら『キャプテン翼』で試そうと思っていたのに。 『機械に翼君と岬君と三杉君と井沢君と松山君の見分けがつくか』という大変玄妙な研究テーマが夢と消えてしまいました。
その他 Riya を使ってみた感想など。」

  • Riya のクライアントインストーラはインストールフォルダを問い合わせてこない。ちょっとお行儀が悪い。
  • おそらく OS と同一ドライブの Program Files\Riya にインストールされる。 jar ファイルが多いので実装は Java と思われる。
  • 画像解析ソフトのアップデートをどうするのかは少し気になる。
  • 人間の顔なら認識できるのであれば、漫画家の顔写真をアップロードしまくるという遊び方も考えられなくはない。
  • しかし肖像権の問題から断念。さすがに NG でしょう。『覚悟のススメ』の頃の山口貴由の写真なんて最高なんだけどなあ。紅 X と組手してるやつ。(後にマンガ夜話で「足の上がり方が素人じゃない」と評されたとか)

◆[ゲーム]無双系ゲームが与える全能感

「なぜこのサイトが戦国無双や戦国 BASARA といった作品に反応が鈍いかというと、 あの手の『英傑が紙のような兵士どもをバタバタ蹴散らす』ゲームから得られる快楽が何となく脆弱だと思うからです。
無双系のゲームをプレイすると、プレイヤーは大した努力もなしに万夫不当の力を得られます。 この「大した努力もなしに」という部分が引っかかる。 そこから得られる全能感が魅力的であることは否定しませんが、 お手軽に得られる強さに何の価値があるのか。」

「ゲームによって得られる優越感が本来無根拠なものだということは承知しています。 が、練習や対戦によって積み上げたスキルがなければ、 それは本当に何の意味もない、たかだか数千円で買える優越感になっちゃうのではないかという不安があるわけです。
そんなに全能感が欲しいならシムアースやればいいじゃないですか。 地球の海いっぱいにクラゲを繁殖させてから氷河期起こして数十億のクラゲがバタバタ死ぬのをカップラーメン食いながら眺めてりゃいいじゃないですか。」

「という話を友人にしたら『シムアースの生物どもは環境的に追い込まれないと進化しないふざけた奴らだ』という話が始まって、 そっちが面白くて無双ゲームのことは忘れた。」

◆松井優征先生は漫画家に転身したゴレさんではないか

「そんな風に考えていた時期が俺にもありました。 更新頻度や移転時期との整合性は一切検証してません。」

「覆面作家的な有名人が自分の知人ではないかという妄想を何と呼ぶのか寡聞にして知りませんが、 たぶん北村薫に対して同様の期待を抱いていた人も少なからずいるはずで、 してみると当時の日本各地の図書館では、無数の北村薫が物憂げな視線で本を探していたはずなのです。」

2006-04-21

◆[読書][山口貴由]『シグルイ』 第 33 景 悪童

(以下の文章はネタバレを含みます)

*1: スズ、ムナカタ、クロウエモン、マリコ、オキツ、ウシマタ、コガン

2006-04-22

◆[読書][山口貴由]『シグルイ(6)』(原作 : 南條範夫、漫画 : 山口貴由)

amazon 【 amazon 24時間
題:シグルイ 6 (6)チャンピオンREDコミックス: 本
続:チャンピオンREDコミックス
著:南條 範夫
符:ISBN4-253-23048-2
刊:秋田書店
値:¥460
文:かつての師・岩本虎眼に両目をつぶされた伊良子清玄は復讐鬼と化した。無明なる剣は老いたる虎を斬れるのか!?

(以下の文章はネタバレを含みます)

2006-04-23

◆WikiWare

「ファック文芸部の更新には「はてダラ」こと HatenaDiaryWriter を便利に使わせていただいていますが、 このツールのソース管理方法が面白い。 普通あるようなスクリプトダウンロードのリンクはなく、 代わりに Perl スクリプトのソースが貼り付けてあるだけ。 ユーザーはこれを自分で hw.pl に保存して使うわけです。」

「はてダラがこうしたソース管理をしている経緯は知りませんが、 これが進化すれば、ソースコードが Wiki 上にしかないという尖った形態になるんじゃないかと思いました。これを仮に WikiWare と呼びます。(*1)

WikiWare のメリット

  • 完全にオープンソース。
  • 完全に編集が自由。改造もバグ修正も思いのまま。

WikiWare のデメリット

  • (Wiki 実装にもよるが)バックアップできない
  • 簡単に破壊できる
  • 長いソースコードの管理には向かない

「今のところそれほど便利には感じられませんが、これを徹底的に進めると「Wiki 的に更新できる SourceForge」に行き着くんじゃないかと思いました。 もともとソースコードを管理するシステムに機能を追加すれば、バックアップやスケールの話は解決できるし、 第三者が簡単に壊せる問題はユーザー認証なり commit の制約なり(*2)で回避できそう。」

◆俺.rss + 俺.opml

「最近ファック文芸部やら Wiki やらで更新箇所が分散しているので、 はてな RSS にインターネット殺人事件というカテゴリを作りました。 ?R インターネット殺人事件の RSS で全更新が取れます。
ついでにこの RSS 群をまとめた OPML ファイルを int.opmlとして公開。」

*1: [wikiware] を見た限り、海外では Wiki 実装のことをそう呼んでいる節がある。ただ、あまり一般的な用語ではなさそう。
*2: 「サーバ側で実行される AutoTest を全てクリアしないと commit できない」という仕組みにするとか。

2006-04-27

◆エビはベジータ

「文科系女子に関する話は特に興味がないので割愛します。面白かったのは以下の部分。」

エビちゃんくらいの女だったら、なにも100%の力を出さずとも
世の男性を誑かす(他に良い表現が思いつかなかった orz ごめんなさい)くらい朝飯前なわけで。
というか、男性の目では80%も100%も区別がつかないでしょう。
そこを敢えて常時フルパワーで戦ってるのは、同性に「まいった!」を言わせるため。
男は騙せても女の目は誤魔化せないからね。
「まぁいいか」なんて手を抜いた日にゃあ、「ツメが甘い!」と厳しく突っこまれます。
だから彼女たちは、違いの分からない女とはツルまない。
「もっと綺麗な女と戦って、もっともっと綺麗になりてぇ!」
ゆえに、「大好きな自分=誰よりも綺麗な自分」という図式なんじゃないかしらん。

「寡聞にして生きて動いているエビちゃんさんを見たことがないのですが、 『もっと強い奴らと戦いたい』というモチベーションは明らかにサイヤ人ですよね。 ここで語られている人物像をまとめるとこんな感じ。」

  • 戦うのが好き。
  • 異人種が弱いことには特に興味がない。
  • でも手加減はしない。
  • 同族が強さに貪欲でないのは許せない。
  • 強い自分が好き。 (= 自分より強い奴が許せない?)

「これらの特徴を最大限に兼ね備えたサイヤ人というと、これはもうベジータしかいません。 つまりタイトルの『エビはベジータ』です。 このアナロジーを更に余計な方向で発展させると エビ = ベジータ = ツンデレという方程式が成り立ち、 つまりエビちゃん = ツンデレという結論に至るわけです。
重ねて言いますが生きて動いているエビちゃんさんを見たことはありません。」

「で、ここからは無関係な話。
『エビはベジータ』というタイトルは余りにも酷く、自分で考えておいてトルコ系の一行詩かよと思いました。 しかしそれを言い始めるなら、もともと“エビちゃん”という呼び名自体が相当酷いのであり、 そんな一般名詞をグローバルな名前空間に置くなよという感じですが(*1)、 前述のエビちゃん / 文科系女子云々の文脈で「エビ」という単語がかなりの概念崩壊を始めていて、 いち概念崩壊ファンとしては欣快の至りです。
先のサイトからもう一箇所引用します。」

勝手にエビの気持ちを想像して書いたけど、ひょっとして勘違い平行棒?
全然違ってたらごめんよエビちゃん(´・ω・`) 
エビかわいいよエビヽ(;^ω^)ノ

「ここだけ抜き出すと物凄い電波文に見えます。日本一エビのことを考えてる人みたいです。 でも、無脊椎動物の気持ちなんて理解できる筈がないですよね。」

「ついでに書いておくと、いまファック文芸部用に『城』の勝手ノベライズをやっていて、 そのために『城』を何度も読み返しています。 こんなに真剣にイカのことを考えたのは初めてです。
結果、見事に「イカ」という単語が概念崩壊を起こしました。」

「要するに、水棲動物が立て続けに概念崩壊を起こすというプチ奇蹟がいままさに自分の周りで進行中なのです。 これはきっと何かが起きる前触れに違いなく、 してみると明日あたりには「カニ」や「サケ」という単語が壊れ始めないとも限らないのです。」

「そんな感じで、今日も力の限り意味のない日記が書けて関係者一同大変満足しております。 ご清聴ありがとうございました。」

2006-04-28

◆『よつばと!(5)』の表紙は芸術

「この表紙絵に大きな感銘を受けたので、この絵のどこが凄いのかを自分なりに解説してみます。
『よつばと!』の表紙絵の並外れた描き込みについては、 id:zozo_mix さんが 4 巻の時点で指摘しています。」

『よつばと!』の世界はそんな「合体」と「変身」の連続で、だからこのマンガを読むとアタシは「今日は、おとといと昨日の続きで、明日は今日の続き」という当たり前のことが、嬉しくなる。 実際に『よつばと!』では、小道具へのコダワリが、並はずれてスゴイ。 このマンガでは描かれている道具の一つ一つに、ぜんぶ意味が詰まっていて、 アタシたち読者はなに気ないモノの数々から、作中キャラクターの生活を垣間見ることができる。

「全てのアイテムに意味を持たせるというのは、絵と物語の合成芸術である漫画の特性を充分に生かした手法です。
静物画でも同じように画題に意味を持たせる手法があるそうですが(*1)、 物語を持たない一枚絵ではアイテムに意味を与えることは難しい(*2)。 その点を乗り越えて、一つの作品の中で“意味付け”と“表現”を同時にやったところが『よつばと!』 4 巻表紙の凄さではないかと思います。」

「さて、それを受けて 5 巻の表紙を見てみると、こちらでは 4 巻のようなアイテムの洪水は影を潜め、比較的シンプルな夏の風景が描かれています。 しかしこのシンプルさこそが『よつばと!』表紙絵の凄さを浮き彫りにしています。 その凄さとは、『一枚の絵の中に技術と物語と思想が全て込められている』という点なのです。 この絵に描かれている要素を挙げてみます。」

  • 満面の笑顔のよつば。腰には浮き輪。
  • 薄暗い電車の中。(視点)
  • 外から射し込む、まぶしい逆光。
  • よつばの足元の、浮き輪と電柱の影。光源はほぼ真上。
  • よく晴れた空と雲。
  • 住宅が並んだ町並み。薄緑の葉をつけた木々。
  • 少し田舎びた駅。看板と電柱。生い茂った雑草。足元のタイルの間の草。

「最初に目を引くのはよつばとその影です。この逆光の処理がとても綺麗。 絵については全くの素人ですが、それでもこの逆光は滅多に見られない上手さだと感じました。 主役を敢えて逆光の中に立たせて画面中央に置くことで、 手前の車内の暗さとドアの向こう側の明るさを対比させる。 結果、こちら側と向こう側の差が強く印象に残ります。 これがこの絵の『技術』。」

「更に、この絵は単独で完結した一篇の『物語』を含んでいます。
浮き輪、真上からの光、茂った植物。ここから舞台は夏の昼であることが読み取れます。 町並みの穏やかさ、電車で来ていること、泳ぐ場所が近くにあることなどから、駅のある場所はおそらく田舎なのでしょう。
そして、先に電車を降りて車内に向かって笑いかけているよつば。 おそらくは先を急ぎたくて仕方なく、電車の到着と同時に駅へ飛び出したのでしょう。 待っている人物はおそらくとーちゃん。交わしている言葉まで想像できます。」

「そして、その『物語』から想像できるのが、絵の“こちら側”にいる観察者の心情です。 少し暗い電車の中から見る夏の日の光。“向こう側”にいる少女。 よつばと過ごす夏の一瞬が、観察者にとってどれだけ美しく貴重であるか。 『幸せな日常が最高の財産である』。これがこの絵の『思想』です。」

「これだけの情報が、たかだか 107KB の一枚絵の中に表現されているのは凄いことです。 これは『よつばと!』の特性を出し切った、とんでもなく濃い絵なのです。 この絵にタイトルをつけるとしたら、まさに『よつばと!』以外は考えられないでしょう。」

「表紙絵でこれと同種の興奮を味わったのは『ジョジョの奇妙な冒険』 46 巻と、 最近では『シグルイ』 3 巻くらいですかね。(*3)

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題:ジョジョの奇妙な冒険 (46)ジャンプ・コミックス: 本
続:ジャンプ・コミックス
著:荒木 飛呂彦
符:ISBN4-088-51896-9
刊:集英社
型:(cm): 18
頁: 187p
値:¥240
文:朝の街角で仗助たちと吉良の市街戦が始まった。家の中に逃げ込んだ仗助たちに吉良の放つ「空気爆弾」が迫る! 何故か正確に位置をつかんで発射される、爆弾の脅威にさらされる仗助たちは…!?

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題:シグルイ 3 (3)チャンピオンREDコミックス: 本
続:チャンピオンREDコミックス
著:南條 範夫 山口 貴由
符:ISBN4-253-23045-8
刊:秋田書店
値:¥400
文:「その場所」で伊良子を待つものは何? 髪をしめらす血の霧か? それとも呪いの吠え声か? 今、仕置きという名の宴がはじまる…!!

「この 2 枚の技術・物語・思想については説明しませんが、このレベルの絵は名画と呼んでも差し支えないと思います。(そう呼ばれると嫌がる漫画家もいそうですけど)」

*1: 『ギャラリーフェイク』に登場したヴァニタス画。
*2: 「誰もが知っている意味を与える」か、もしくは「長大な連作で意味を作り上げていく」くらいしか方法が思いつかない。
*3: 『シグルイ』 6 巻の表紙はもちろん凄いです。表現及び物語は完璧。ただ、あの絵で『シグルイ』全体を貫く思想を表現しようという意図はないように思えます。虎眼先生は主人公でもラスボスでもありません。
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